天皇陛下の退位問題に関する有識者会議の最終報告骨子案がまとまったのは4月13日だった。
今後も、最終報告書が21日に政府に渡され、政府は5月上旬にも天皇退位の関連法案を国会に提出し国会審議がはじまるなど、様々な手続きが進んでいく事になるが、この骨子案が公表された時点で、退位問題は事実上終わったのである。
この骨子案を報じる14日の各紙の報道で私が注目し、深い絶望感を覚えたのは、あのお言葉で天皇陛下が訴えたかった一番重要な事、つまり天皇陛下が代っても、象徴としての天皇陛下が行うべき公務は、過去の戦争の反省に立って平和な日本を願い、率先して行動するようにして欲しいという覚悟の訴えが、見事に封印されてしまった事だ。
骨子案にはどこにもそれがない。
それどころか、権威の二重化を避けるべきという大義名分の下に、今上天皇は退位後はすべて新天皇に譲るべきと言わんばかりだ。
天皇陛下の思いにことごとく反して来た安倍首相が、最後に行った究極のおことば潰しである。
そう思っていたら天皇陛下のご学友である明石元紹氏がサンデー毎日最新号(4月30日号)で覚悟の激白をした。
陛下の歩まれた道や平和への思いに共感する形で、陛下のおことばと真摯に向き合ってくれると期待したのですが、やはり、難しいことだったのでしょうかと。
これはそのまま天皇陛下の今のお気持ちに違いない。
私は今上天皇陛下が退位される2019年初めまでには、必ず憲法9条を実現して見せたいと覚悟を新たにしたのである(了)
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