政府はきのう3月5日、NHKがすべての番組をテレビやラジオ放送と同時にインターネットに流す、いわゆる、常時同時配信を可能にする放送法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。
そのことを、きょうの各紙が一斉に、しかしあまり目立たせることなく、報じている。
同時に、この改正法案は、ネット業務の内容や費用に関する実施基準を策定し、総務相に認可権や勧告権を与えている。
政府は同時にまた、携帯電話市場の競争を促すための電気通信事業法の改正案も閣議決定し、通信料金の引き下げにつなげようとしている。
この一連の動きの背景に何があるのか。
一般論としては、我々情報を受け取る側にしたら、利便性が高まり、悪い話ではない。
しかし、もちろん、政府が我々の為にそうしているわけではない。
私は、大げさに言えば、これは安倍4選に向けた情報操作の布石であると思っている。
安倍首相はネットを重視し、活用している事は周知の事実だ。
それは、ネットを利用、活用する若者こそが、単純な安倍支持者であることを知っているからだ。
だからネットメディアが普及すればするほど自分に有利だと確信しているのだ。
安倍反対の中心である安保反対のアナログ老人世代など相手にせずに、ネット情報を重視する事によって、若者を対象に巧みに情報発信し、支持を広げようとする戦略なのだ。
だから、いまやメディアの中でも思い通りに動かせるNHKを使ってネット同時配信を先行させ、「民業圧迫」の批判をもろともせず、後に続け、さもなければ放送業界で生き残れないぞと脅かしているのである。
安倍首相は、あらゆる手段を使って安倍政権の延命を図っている。
野党はもっと危機感を抱かなければいけない(了)
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